服を踏んだ

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僕は知っている

彼は知らない

彼の中にいる修羅が

黙って僕の目を見つめる

椅子から落ちかけたダウンジャケットを

注意不足なのだと忘れろと

水たまりを踏んだような服の感触が離れない

話して、話して何になる

怖気づく僕は

傲慢な自分は

彼と日々を過ごして

同じ障がい者である彼のことを