大きな世界の小さなジレンマ
ちょっと遅刻したと母に伝える。
15分遅刻をしたと彼女に伝える。
休みの日に何もしない。
趣味のないキャラに定着していても、
同じ部署からは評判が悪い。
上司から全く期待されない。
仕事ができない話をすると、
居酒屋で評判がいい。
結局、つまらないと思われるのは、
自分のことを話せないからで。
仕事ができないのは、
変わる勇気がないからで。
母の責任感と向き合えず僕は、
自転車を使わず、
1時間に数本のバスを待ち遅刻する。
彼女の達観した「そんなこともあるよ」の言葉に、
僕は安堵と関係の終わりを感じ、
彼女の求めていないことまで事細かく話す。
同僚は親しみやすいが、急かされる気持ちになる。
母との関係の延長だ。
上司は「障害」があるからと受け止めてくれるが、
その口調は成長を見込まない限界を感じさせた。
彼女との関係の延長だ。
二つの付き合い方しか知らない、
僕の小さな社会の窓。